Roland JD-Xi シーケンサーとボコーダー搭載のミニシンセ 人気、再び!

Roland JD-Xiはアナログ回路とINTEGRA-7同等のSuperNATURALシンセ音源を搭載した、アナログ/デジタルのクロスオーバー・シンセサイザーです。37ミニ鍵盤のコンパクトなボディながら、パターン・シーケンサーやボコーダーなど様々な機能を搭載。重厚なアナログ・ベースやリード・シンセや、パッド、ストリングス、ブラスなどのPCMシンセ・サウンドが満載で2015年3月13日に発売されてから長らく経つ今なお、多くのシンセ愛好家に支持されている名機となっています。

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jd-xi に内蔵されている各音色(トーン)の数は、以下の内訳になっています。

  • Digital Synth Tone = 256
  • Analog Synth Tone = 64
  • Drum Kit = 33
  • Vocoder/AutoPitch = 21

Roland JD-Xiの2大特徴は、シーケンサー機能とボコーダー機能

Vocoderを使ってみる

Roland jd-xiにはVocoder機能が搭載されています。付属品のマイクを使用する、または市販の別のマイクを使用することもできます。今回は付属品のマイクを例に設定手順を記載しています。

  1. 付属のマイクをMIC端子に接続します。
  2. [Menu/Write]ボタンを押します。
  3. Cursor[◀] [▶]ボタンで[SYSTEM]を選び、[Enter]ボタンを押します。
  4. Cursor[◀] [▶]ボタンでパラメーターを選び、Value [-] [+]ボタンで値を変更します。
  5. 設定が終わったら、[Exit]ボタンを何回か押してトップ画面に戻ります。

Vocodr/Aut の注意点

  • Vocoder/Autopitch を選んでいる時は、analog synthパートの音は鳴らなくなります。(つまり最大4パート同時に使用できるうちの1パートを潰して3パートしか使えなくなるので要注意です)
  • Vocoder/AutoPitchは、Digital Synthパートでしか使用できません。(Part1 か Part2 で使用できます。)

パターン・シーケンスの基本設定

jd-xiは鍵盤の演奏やつまみの操作を記録し、繰り返し再生することが出来ます。

録音するには以下の3つの方法があります。

  • リアルタイム録音
  • TR-REC
  • ステップ録音

■リアルタイム録音

鍵盤の演奏をリアルタイムに録音して、パターンを作成します。選んでいるパターンに重ねて録音します。

  1. Part Selectボタンで録音するパートを選びます。
  2. [Real Time Rec]ボタンを押します。
  3. [▶/■]ボタンを押して、録音を開始します。
  4. 鍵盤を演奏します。
  5. [Real Time Rec]ボタンを押して録音を終了します。

■TR-REC

[01]~[16]ボタン(ステップごとに、楽器(インスト)を鳴らすか鳴らさないかを指定します。)

  1. Part Selectボタンで録音するパートを選びます。
  2. [01]~[16]ボタンを押して、音を鳴らしたいステップを点灯させます。
  3. [▶/■]ボタンを押してパターンを再生します。

■ステップ録音

鍵盤の演奏をステップごとに順番に録音してパターンを作成します。選んでいるパターンに重ねて録音します。

[01]~[16]ボタン(録音中のステップに対応したボタンが点滅します)

  1. Part Selectボタンで録音するパートを選びます。
  2. [Step Rec ]ボタンを押します。
  3. 鍵盤を一回弾きます。
  4. 手順3の操作を繰り返し、ステップごとに録音します。
  5. [Step Rec ]ボタンを押して録音を終了します。

例:名曲カバー Rio / Duran Duran (Intro)

デュラン・デュランの名曲「Rio」はイントロ部分にシンセによるシーケンシャルパターンがあります。このようなシーケンサーのパターン登録にはステップ録音が適しています。

最初の2小節で一つのパターンが完結しています。具体的な手順を事前準備の部分も含めて以下に記載します。

  1. この曲では1小節に16個の音を録音したいので、スケールを設定します。(事前準備)
  2. [Menu/Write]ボタンを押します。Cursor[◀][▶]ボタンで[Scale Setting ]を選び、[Enter]ボタンを押します。Value [-][+]ボタンで、16分音符を選びます。
  3. [Exit]ボタンを何回か押してトップ画面に戻ります。
  4. 2小節分を録音したいので、小節数を設定します。(事前準備)
  5. [Menu/Write]ボタンを押します。Cursor[◀][▶]ボタンで[Pattern Length ]を選び、[Enter]ボタンを押します。Value [-][+]ボタンで、[02]を選びます。
  6. [Exit]ボタンを何回か押してトップ画面に戻ります。
  7. Part Selectボタンで録音するパートを選びます。
  8. [Step Rec ]ボタンを押します。([01]が赤く光ります。)
  9. 1小節目のアルペジオパターンを弾きます。(1音弾くたびに[01]→[02], [02]→[03]と点灯箇所が移動していきます) 点灯箇所が[1]に戻りますので、2小節目のアルペジオパターンを弾きます。
  10. [Step Rec ]ボタンを押して録音を終了します。
  11. [▶/■]ボタンを押してパターンを再生します。(音の確認)

Roland JD-Xi、今再び人気化の兆しが・・・

今やDTM全盛の時代ですが、ハード・シンセを使ってちょっとした音楽を作り上げたい派の人もまだまだ少なからずおられます。Roland JD-Xiはどういうわけか今再び人気化している兆しが見られます。Youtube上に新しく最近の曲をこのシンセを用いてカバーしている動画が増えてきていたり、また元々発売当時の定価が販売価格(税込) ¥66,000であったものが未だ中古価格が大きく値崩れしていなく安定しているなど。(元々の定価からして安価で手頃なので入手しやすものではあったが)

Roland JD-Xiは搭載されている音源をそのまま使っても例えばMTVで洋楽が一番華やかだった80年代のヒット曲のカバーなどを試してみると結構リアルに本格的な音楽に仕上がったりします。シンセ・リード系の音源と4つ打ちのシーケンス+VocoderでK-POPのカバーを試してみることも出来そうですし、根強い人気のYMOをカバーしてテクノ系の音楽を構成するのにも適していると言えそうです。

YouTubeで公開されているJD-Xiを使った様々なカバー動画

Roland JD-Xiを使って遊び心と真剣さを交え多くの方々が様々な有名な曲を題材としてカバーに取り組んでこられたようで、そのようなサンプル動画が多数Youtubeなどに公開されています。素晴らしいサンプルがYoutube で公開されているので、可能な限り紹介していこうと思います。

[RYDEEN YMO /Covered by 桜田マコト]

URL:https://www.youtube.com/watch?v=mzujBeOpinI

Digital 1Soft Brass 1
Digital 2Sqr Buzz Ld1
Drums80’s Kit 1
AnalogPsy Bass 3

[TECHNOPOLIS YMO /Covered by 桜田マコト]

URL:https://www.youtube.com/watch?v=GWrbo7r3PS0

Digital 1Soft Brass 1
Digital 2Tekno Lead
Drums80’s Kit 1
AnalogHouse Bass 1

[BEHIND THE MASK YMO /Covered by 桜田マコト]

URL:https://www.youtube.com/watch?v=Qraz5P9I6UM

Digital 1JP8 Strings 1
Digital 2Soft Brass 1
Drums80’s Kit 1
AnalogHouse Bass 1

[Into the groove MADONNA /Covered by gach mu46]

URL:https://www.youtube.com/watch?v=c6aO8pjc9Ek

Digital 1Soft Pad 2
Digital 2UnisionSynBs 1 (cut-off調整アリ)
Drums Tr-626 Kit
AnalogCeloclip 1

[Save a prayer Duran Duran /Covered by MusicHobby]

URL:https://www.youtube.com/watch?v=ACh7ol8j56w

Digital 1JP8 Strings 1(手弾きパート)
Digital 2
Drums
AnalogAnalog tone

Axialから出ている各種追加プログラムで機能拡張が出来る!

Axial Roland Synthesizer Sound Libraries サイトからダウンロードが可能です。

  • Color Square for JD-Xi
  • JD-Xi Version 1.5 Sounds set
  • JD-Xi POP/FUNKY Collection
  • JD-Xi Red and White Collection
  • JD-Xi Dance Vollection Volume 1
  • JD-Xi Dance Vollection Volume 2

JD-Xiバージョン1.52へバージョンアップ

システム・プログラムをダウンロードする前に、JD-Xi のバージョンをチェックしてください。
1.[Menu/Write]ボタンを押します。
2.Cursor[▶]ボタンを何度か押して「Version Info」を選び、[Enter]ボタンを押します

アップデート方法
下記の手順にしたがって、プログラム「jdxi_up.bin」を JD-Xi にインストールしてください。
※ アップデートを実行している間は、JD-Xi の電源を絶対に切らないでください。本体システムが正常に立ち上がらなくなる可能性があります。

  1. USB ケーブルで JD-Xi とパソコンを接続します。
  2. [Tap]ボタンを押しながら JD-Xi の電源を入れます。
  3. 画面に「UPDATE MODE」と表示されたらボタンから指を離します。
    画面表示が「waiting file…」となり、パソコンの画面に「JDXI」フォルダーが開きます。
    waiting file…
  4. 「JDXI」フォルダーにアップデート・ファイル(jdxi_up.bin)をコピーします。
  5. パソコンの操作で JD-Xi の接続を解除(アンマウント)します。
    アップデートが開始されます。
    終了すると、「finished.」と表示されます。

JD-Xi」主な仕様
鍵盤:37ミニ鍵盤(ベロシティー対応)
音源:最大同時発音数129 音(デジタル・シンセ/ドラム・キット:128、アナログ・シンセ:1)※デジタル・シンセは最大同時発音数64音
パート数:4 パート(デジタル・シンセ・パート= 2、ドラム・パート= 1、アナログ・シンセ・パート= 1)
トーン:デジタル・シンセ・トーン(SuperNATURALシンセ)、アナログ・シンセ・トーン、PCM ドラム・キット 
※ アナログ・シンセ・トーンは、オシレーター、サブ・オシレーター、フィルター部分をアナログ回路で構成しています。
エフェクト:Effect1(Distortion、Fuzz、Compressor、Bit Crusher)、Effect2(Flanger、Phaser、Ring Mod、Slicer)、Delay = 2 種類、Reverb = 6 種類
パターン・シーケンサー:トラック数= 4
ボーカル機能:Vocoder、Auto Pitch、Auto Note
その他機能:フェイバリット、アルペジオ
コントローラー:ピッチ・ベンド/モジュレーション・ホイール
ディスプレイ:16 文字 2 行LCD
接続端子:PHONES 端子(ステレオ標準タイプ)、OUTPUT 端子(L/MONO、R)(標準タイプ)、INPUT 端子(LINE「MONO」もしくはGuitar 入力)(標準タイプ)、MIDI 端子(IN、OUT)、USB COMPUTER 端子(USB Hi-Speed AUDIO / MIDI 対応)、DC IN 端子、MIC INPUT 端子(XLR タイプ, アンバランス)
電源:AC アダプター
消費電流:1,000mA
外形寸法:575(幅)×245(奥行)×85(高さ)mm
質量(AC アダプターを除く):2.2kg
付属品:取扱説明書、AC アダプター、マイク、保証書、ローランド ユーザー登録カード

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