更に光輝くヒョンビンの出演ドラマを全て見てみよう!

2020年、新型コロナウィルスの世界的な流行もあり日本でもステイホームを合言葉に家で多くの時間を過ごす、「おうちじかん」の割合が長くなりました。そんな状況下で、今年は久々に2つの韓国ドラマが大ヒットしました。「愛の不時着」と「梨泰院クラス」です。今回はそのうちの「愛の不時着」で3度目のブレイクを成し遂げたと言われているヒョンビンについてドラマのデビュー作からその足跡を振り返ってみたいと思います。

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ヒョンビンは2003年から韓国KBSで放送されていたドラマ「ボディー・ガード」で俳優としてデビューしました。その後いくつかのドラマ出演を重ねながら、必ずしも好調な時ばかりではありませんでしたが何度かの大きなブレイクの波を作ってきました。今回はブレイクは第3次ヒョンビン・ブームと言われています。

・初回「私の名前はキムサムスン」
・2回目「シークレットガーデン」
・3回目「愛の不時着」

■ボディガード(2003年)

出演:チャ・スンウォン, ソン・イルグク, ハン・ゴウン, イ・セウン,ヒョンビン

俳優チャ・スンウォンが主演を務めたドラマ『ボディーガード』(2003)。
本作は、ひょんなことからボディガードとして働くことになったギョンタク(チャ・スンウォン)が依頼人や周囲の人間関係を通して繰り広げる痛快アクションドラマ。

当時チャ・スンウォンの人気が全盛期であったことや、女優のハン・ゴウンやイ・セウン、俳優のソン・イルグクなど人気俳優らの共演もあって、最高視聴率35%を記録するほどの高い人気を得ていましたが、このような豪華顔ぶれが揃った華々しい作品で俳優としてデビューしたのが、ヒョンビンでした。

ドラマデビュー作とはいえ、当然最初から主役級の役でキャスティングされるわけではありません。ヒョンビンは女性モデル役に扮したイ・セウンに近づいたところで、ボディーガード役であるチャ・スンウォンにボコボコに殴られてしまう役どころ。しかしこのような経験を得ながら後の主役4人級のキャリアとなる後の作品「アイルランド」ではヒョンビン自身がボディガードの役を演じることになります。

■ノンストップ4(2003年)

先輩代々から受け継がれ、かつて輝かしい活動をしていた‘ノンストップバンド’が解散の危機に陥る!
このピンチを乗り越えるため、チョンジンは新メンバーを募ってみるが、音楽に関心も才能もないグンソクをはじめ、頼りない学生たちが集まり大迷走!?

本作に出演時点はまだ駆け出しともいえるヒョンビン。どちらかといえばその他大勢のキャストに過ぎず、本作の主役はチャン・グンソクとされています。それでも後の大ブレイクにつながる確かな光を放ち始めている、そんな作品です。若さと勢いで急成長中のヒョンビンの姿を確認できるドラマといえるでしょう。

■アイルランド(2004年)

出演 イ・ナヨン, キム・ミンジョン,ヒョンビン, キム・ミンジュン

3歳でアメリカに養子に行き、アイルランド系の家族の下で成長したジュンア(イ・ナヨン)は、ショーというアイルランド名も与えられ、白人として暮らしてきた。ジュンアは生まれ故郷・韓国への帰国の飛行機内で孤児院出身のボディーガード・クク(ヒョンビン)と出逢い、やがて同棲生活を送ることになる。

ドラマ「アイルランド」のプロデューサー、キム・ジンマンは「島国であるアイルランドを個人になぞらえ、島同士のつながり、つまり人間の繋がりを表現したかった」と語ったそうです。

■私の名前はキムサムスン(2005年)

出演 : キム・ソナ, ヒョンビン, チョン・リョウォン, ダニエル・ヘニー, イ・ギュハン

ちょっぴり太めのキム・サムスン(キム・ソナ)は、30歳、独身。クリスマス・イヴに恋人のヒョヌにふられた上に、パティシエとして働いていた店もクビになり、まさに崖っぷちに立っていた。ある日、ホテルのレストランの面接を受けて不採用になったサムスンの前に、ホテルの御曹司ジノンが現れる。フレンチレストランを経営しているジノンは、偶然サムスンが見本として作ってきていたケーキを食べ、彼女をレストランのパティシエとしてスカウトする。傲慢なジノンに反感を感じながらもサムスンは仕事欲しさに彼の店で働き始める。

ヒョンビンはその長い芸歴の中で何度かのブレイクを打ち立てていますが最初のブレイクは本作「私の名前はキムサムスン」によるものでした。韓国で最高視聴率50.5%という大記録を打ち立てた本作は、父の借金に苦しむパティシエのサムスンと心に傷を抱える御曹司・ジノンが、互いの利益のために恋人のフリをしているうちに、次第に本気の恋愛に発展していく姿を描いたラブコメディでした。本作は、30歳を過ぎた独身女性の葛藤や恋愛事情、就職事情も描きながら凄まじいほどの外見至上主義に蝕まれている韓国社会で生き抜く多くの女性視聴者の共感を得て社内現象と呼ばれるほどドラマとなりました。そしてここでもヒョンビンは年上彼女だけに見せる甘~い顔とツンデレ年下彼氏のギャップを上手に演じ、当時韓国で”ヒョンビン症候群”という言葉まで生み出すほど、韓流ドラマにおけるツンデレ御曹司の一つの型を作ったとされています。

■雪の女王(2006-2007年)

出演:ヒョンビン, ソン・ユリ, イム・ジュファン, ユ・イニョン

アンデルセン童話をモチーフにした、ヒョンビン主演作!貧しい家庭に生まれ、ささやかな幸せを夢見ていたハン・テウン(ヒョンビン)は、優れた成績でエリート校である韓国科学高校へ入学する。数学の才能を見出され天才と脚光を浴びるが、そのことが親友を追い込むこととなり、悲しい事故が起きる。自責の念から名をドックと変え、世を捨てたようにボクシングジムのスパーリングトレーナーとして働いていたとき、美貌と裕福な家庭を持ちながら、子供のころの心の傷と、難病のせいでわがままに振舞う令嬢ボラ(ソン・ユリ)と運命的な出会いをする。

日本のファンの間ではこの「雪の女王」こそがヒョンビンの魅力を最大限に引き出した最高傑作だと語られることの多い作品です。前作「私の名前はキムサムスン」では前髪をアップにしたキリっとした御曹司役でしたが、本作では伸びた髪に無精ひげのやや薄汚れた系のルックスながら心に傷を持つ陰のある役を見事に演じ切り更に多くのファンを獲得することになります。放送当時は同時間帯に大ヒット時代劇『朱蒙(チュモン)』があったため、視聴率という点では話題になることはありませんでしたが、後にインターネット放送から人気に火がつき再評価されました。

■彼らが生きる世界(2008年)

出演 : ヒョンビン, ソン・ヘギョ

正義感が強く人間味あふれるドラマプロデューサーのチョン・ジオ(ヒョンビン)は、以前恋人だった新人プロデューサーのチュ・ジュンヨン(ソン・へギョ)と同じドラマの製作現場で働く。
お互い性格の違うジオとジュンヨンは撮影方法などをめぐり時としてぶつかるものの、恋人時代の思い出を語らえるような、お互いの心を理解しあった友人でもある。
数々のヒット作を輩出してきたピョ・ミンスプロデューサーと作家ノ・ヒギョンが手を組み、放送局内部の人々の葛藤や現場の姿や生き方などをリアルに描いた注目の大作ドラマ。

ヒョンビンとソン・ヘギョの競演!として放送前から期待は大きかったようですが、視聴率は伸び悩み刺激的な展開もなく今一つ「何を伝えたいのかがよくわからないドラマだった」という声も聞かれるなど、テレビ局で働く人々の群像劇(いわゆる業界もの)の難しさを露呈する結果となったとの評価がなされています。それでも主役クラスのキャスト(ヒョンビン、ソン・ヘギョ、そして後に大物になっていくオム・ギジュンなど)は個々には流石の輝きを見せています。

■チング~愛と友情の絆~(2009年)

出演 : ヒョンビン, キム・ミンジュン, ソ・ドヨン,
イ・シウォン, ワン・ジヘ

1974年 ドンス、ソンテク、サンテク、ジュンホの少年4人は生い立ちがそれぞれ異なりながらも一緒に遊び、喜び、泣いた日々を過ごす。4人はそれぞれの生い立ちが異なりながらも、どんなに辛いことがあっても仲間の傷ついた心を救いあうチング(親友)であった。
別々の中学に進学した4人は高校で再会しまた一緒につるみ始める。青春時代の4人は知り合った女性バンド“レインボー”のジンスク、ソンエ、ウンジと仲良くなり女性たちに想いを寄せる。

■シークレットガーデン(2010-2011年)

出演 : ハ・ジウォン, ヒョンビン, ユン・サンヒョン, キム・サラン

若くしてロエルデパートのCEOを務めるキム・ジュウォンは、母方の一族が大財閥という、いわゆる“御曹司”。ハンサムで、アメリカの一流大学を卒業し、広大な邸宅に住んでいるセレブだが、日本、中国などアジア圏を席巻する韓流トップスターである従兄のオスカーに対しては異常なまでのライバル心を持つ。趣味も車も女も、オスカーに負けることは、彼にとって容認しがたいことである。ある日、ジュウォンは、オスカーに自分のデパートのイメージキャラクター契約を結ばせるために、その交換条件として彼がトラブルを抱えている女優と交渉すべく撮影現場を訪れるが、スタントの女性を、その女優だと勘違いしてしまう。

韓国の人気俳優にとって、兵役に就くタイミングをいかに効果的に探るかということは非常にデリケートで重要な決断になります。兵役直前の作品が大コケした場合そのまま忘れられた存在に追いやられるリスクが高いからです。そういう点では、ヒョンビンはこの「シークレットガーデン」の空前の大ヒット(2度目のブレイク)を置き土産に最高のタイミングで兵役に就くことになります。ヒョンビンが一番得意な“御曹司”役、そして視聴率女優と呼ばれるハ・ジウォンとのタッグにより本作を「雪の女王」、「私の名前はキムサムスン」と並ぶ自身の代表作と評される作品に押し上げることに成功します。

■ハイド・ジキル、私(2015年)

出演 : ヒョンビン, ハン・ジミン, ソンジュン, ヘリ

韓国最大のテーマパーク“ワンダーランド”の常務ク・ソジンは、いつも冷静沈着。それは極度の興奮状態になると現れるもう一つの人格を抑えるためだ。ある日、主治医のカン博士から治療法を見つけたという連絡を受けるが、面会直前に博士が失踪してしまう。一方、ワンダーランド専属サーカス団の団長チャン・ハナは、突然の契約解除に抗議しようとソジンを追いかける途中、何者かに襲われ、ソジンと瓜二つの男に救われる。双子の兄と名乗る優しい彼こそが、ソジンの別人格ロビンだった!

韓国の俳優にとって、兵役を終えた復帰第一作というのは非常にキャリアの上で重要な作品になるとされており、作品選びは相当な力の入れようになると言われています。近年では復帰作で大きな成功を収めた代表例としては「エデンの東」のソン・スンホン、「太陽の末裔」のソン・ジュンギなど記憶に新しいのではないでしょうか。そんな復帰作としてヒョンビンが選んだ作品がこの「ハイド、ジキル、私」です。一人二役という大変難しい役どころ。基本的にヒョンビンが得意とするのは育ちの良いエリート系御曹司の役。そんな姿を期待するファンには二役を行ったり来たりするこのドラマの設定は感情移入するには忙しくどっぷりと魅力にハマりたい(韓国語でいうところのパジョパジョ!)視聴者の心を鷲掴みにするというところにまでは至らなかったようです。

それでも、本作にも沢山の魅力がありますしドラマのロケ地になったソウル市内のカフェ「マンゴーシックス」や、大邱広域市にある「キムグァンソク(壁画)通り」などは人気の観光地となりました。

キムグァンソク通り(大邱広域市)

■アルハンブラ宮殿の思い出(2018-2019年)

出演:ヒョンビン, パク・シネ, パク・フン, パク・チャヌク

ジヌ(ヒョンビン)はIT会社「JOne ジェイワンホールディングス」の社長。年齢は39歳。社長になったのは、軽い気持ちからだった。博士号を取得するために勉強していたジヌは、たったの10年でIT業界の最大手に成長させる。
怖いものはなく、あるのは冒険心のみでやりたいと思ったことは、やらなければ気が済まない。ある日スペインに出張で出かけた時に、ARゲームの開発者から匿名の連絡をもらう。
期待に胸をはずませグラナダへ。約束の場所はボニータホステル。
そこはジヌには似つかわしくないほどの不潔極まりない場所。そのオーナーがヒジュ(パク・シネ)だったのだが・・・・。

さてこのドラマですが・・・、非常に評価の分かれる難しいドラマでした。(ドラマ中に、ARゲームが出てきます)
作家さんが、イ・ジョンソクの「W」と聞いて納得(主人公たちが漫画の世界と現実を行き来するストーリーでした)
韓国のネット上では、「今までにない新しい形のドラマ」「展開が予想できない」と評価する声も大きい一方、「恋愛が見たかったのに」「内容について行けなかった」という声もあったようです。ヒョンビン自身は無駄に長いARゲームの戦闘シーンを身体を張って熱演しているのですが、そもそもファンの多くはヒョンビンに剣を持たせて戦闘させるシーンなど望んでいないのではという思いを持って観てしまいます。各回の視聴率も一桁台をずっと彷徨い、その数字からヒョンビンの時代はそろそろ終わりに向かい始めているのではとも囁かれるほど…

■愛の不時着(2019-2020年)

出演:ヒョンビン, ソン・イェジン,

韓国の財閥令嬢であり、自ら立ち上げたファッション・コスメブランド「セリズ・チョイス」も大成功を納め、ドライな恋愛とゴージャスなセレブ生活を謳歌しているユン・セリ。
ある日彼女は側近たちから心配の声が上がるのをよそに、自身が手掛けたユニフォームを着てパラグライダー飛行に挑みます。その最中に突然の竜巻に巻き込まれ、あろうことか北朝鮮に不時着してしまいます。
そこでエリート軍人のリ・ジョンヒョクと出会い、無事に韓国へ帰還する手助けしてもらううちに、今まで遠ざけていた「仲間意識」が芽生え、そして「本気の恋」をし始めた自分に気付いていく…。

前作「アルハンブラ宮殿での思い出」であまり芳しい評価を得られなかったヒョンビンですが、その次作であるこの「愛の不時着」によってヒョンビンはその輝きを取り戻し、3回目のブレイク到来!と呼ばれるほどの社会現象を日本で引き起こします。

北朝鮮のエリート中隊長、という役どころ。口数は多くないが誠実で真面目、大切な人を身体を張って守るその姿が多くの視聴者のハートを鷲掴みにしました。ヒョンビンという芸名、その意味するところは「更に光輝く」です。40代に差し掛かりますます深みのある魅力を増してきているヒョンビンからこれからも目が離せません。

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