「わたしを離さないで」「日の名残り」

暫くの間、全作品完売状態だったカズオ・イシグロ作品ですが、徐々に入荷されるようになってきました。ということで代表作の中から2作品「わたしを離さないで」、「日の名残り」を購入しました。

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以前にも書いたように、「わたしを離さないで」は先行して映画化された作品を観ました。

映画はそれはそれで丁寧に描かれていて良い作品でしたが、やはり原作本を読んでじっくりと文字として丹念に綴られていく描写に入り込みたくなりました。

ある種特殊な状況下に置かれた主人公たちの人生ですが、突飛な設定に安易に走ると下手をすると安っぽいライトノベルのようになってしまいがちです。
そうなるかならないかは、結局根底にあるテーマや、伝えたいことの軸から発想が広がっていき、各種設定はそのための手段となっていることが大事なように思います。

あらすじをなぞることはしませんが、映画であれ、本の中であれ、「猶予」が存在しないと知らされた時の登場人物の落胆が、(読み手として予想しやすい展開だったとしても)心を締め付けます・・・。

読後感はあまり良くないですが、自分的にはやはり読むに値する本だと思えました。
映画(洋画)、本とは別に、日本でもドラマ化されていましたね。
10月18日より、地上波で再放送することが決定したというニュースも流れていました。

一方の「日の名残り」ですが、こちらも海外で既に映画化されているんですね。
日本ではほとんど聞き馴染みのない、英国最高の文学書「ブッカー賞」受賞作品ということでもあります。
映画も観てみたい気がしますが、今度はまず本を先に読んでみようと思いました。
主人公は「品格ある英国の執事」ということで、こちらも国内の作家さんの作品のような読み易さはないかも知れませんが、一旦作品の中に入り込んでしまえばそこは気にはならなくなります。

この数年で書かれた作品群ではありませんが、今回名前を知ったことにきっかけに一度諸作品を読み漁ってみようかなと思いました。

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